この世界での真理学について幾つか触れておくことにするわ
あれ?今日は先生は?
楽屋裏で日本茶飲んでるわね
ちょっ?!先生ーーーー!!!
【楽屋裏】
たまの非番はゆっくり茶を飲むに限るな
【チラシの裏】
まぁ妥当な人事じゃない?
真理学について門外漢より多少は齧ってる私達が前に出るのは
うーん…分かりました
さて…本格的な話に入る前にこの項目、真理学と錬金術という2つの呼び名があるけど、その理由を最初に述べておかないといけないわ。
わざわざ訂正してたみたいですけど…

当然ね、世間では錬金術で通ってるみたいだけど、所詮枝葉末節の姿を取った呼び方。
金に目の眩んだ似非真理学者が、金の練成をするだの何だの言って無駄に表に出てた経緯があって、その為に付いた俗名が錬金術。
本来は真理学と言うのが正しいわ。

真理学者の中には蔑称に聞こえる人もいるから気をつけるようにね。

じゃあその真理学って、どういう分野なんですか?

まず真理学は、神仏や自然の力に対する畏敬の念を発露にしているの。
その神仏や自然の叡智を学び、証明する学問。
それが真理学の本来の姿よ。

その過程にあって、より完全なるものを作り出す事で証明とする場合もあるわ。
例えばそれが賢者の石だったり金だったり…時には人造人間を作り出そうとする者もいるわね。

人造人間…ホムンクルスでしたっけ…
随分な学問なのに正式名称もあまり知られてないけど…何でそんなマイナーなんです?

ちょっと考えれば分かるじゃない。
世の中魔法社会よ?
大抵の事は魔法や魔法を使った道具で何とかなるし、よほど知識欲旺盛な人間じゃないと見向きもしないわ。

ああそうそう、ホムンクルスの話題が出たからソレについても少し触れておこうかしら。

ホムンクルスに何かあるんですか?

大有りよ。真理学者全般に言えることだけど、特にホムンクルスの製造を研究してる真理学者が気をつけないといけない事があるの。

妖精の存在は知ってるわね?

はい!前にここでも学びました

いいわ。

妖精も能力・性格様々…勿論中には悪意ある妖精も少なくないわ。
そんな妖精が人間達のように特定の肉体を持った生き方に強い関心を持った時が問題なの。

まず狙われるのは優秀な真理学者よ。
自分の肉体を得る為に彼等を誑かしてホムンクルスを作らせる事例がたまにあるの。


そんな事もしてくるんですか!?

そうよ、だから気をつけないといけない。
真理学者の間ではこういった現象を”ホムンクルスの誘い”と呼んで個々に警戒しているの。

まぁ他にも色々ね…真理学の証明に当たって気をつけないといけない事は逐一多いわ。

魔法より大変そうですね…

そういうモノだから仕方ないわ。

さぁ、帰って研究続けないとね。